私たちのつくる新築住宅の
断熱性能(UA値)は、国内最高グレードの
HEAT20 G3を元にしています。
気密性能(C値)は、
0.3程度です。これは、一般的な2階建木造住宅の床面積100㎡を想定すると、建物全体の隙間を集めてもわずか30㎠(名刺よりも小さい面積)しかないことを指しています。
ここまで性能にこだわるのは「省エネルギー住宅にしたいから」ではありません。
「暑い」「寒い」といったストレスを全く感じない、真に居心地の良い・健康に過ごせる住宅をつくるためです。
そのために、
とても重要なことは室内外の「表面温度」を最も良い状態・温度に保つこと。
これを実現するために、質の良い素材を使い、丁寧で精度の高い施工で、家づくりをしていきます。
計画通りに進めていけば、自ずと最高グレードの性能値になるのです。
暑い・寒いを左右する、壁などの「表面温度」
私たちは通常、温度計で「空気温度(室温)」を確認します。
そして、暑い・寒いを感じたら、エアコンなどで「空気温度」を変えていますが、実はコントロールが必要な熱は他にもあるのです。
それは、
私たちを取り囲む、あらゆる物体が持っている「表面温度」。
建物の室内でいえば、壁・床・窓・天井・家具などが持つ表面温度
外環境でいえば、屋根・塀・バルコニー・庭の地面などが持つ表面温度
を指します。
こういっ
た部位の「表面温度」を、私たちは日々「放射」「伝導」といった熱の伝わり方で感じています。
この熱の伝わり方で重要になるのは、人の身体の仕組みです。
実は、人が温覚を感じる受容体は皮膚の奥にあって、
皮膚の表面を流れている「空気温度」だけではなく、皮膚の奥に届きやすい「表面温度」の影響を大きく受けているのです。
これは太陽熱などの放射熱は体にとてもあったかく感じますが、エアコンなどの風による熱は暖かさを感じにくいという原理に基づいています。
出典:クリマデザイン
つまり、壁などの「表面温度」が高ければ「暖かい」と感じやすく、低ければ「寒い」と感じやすい。
体感温度 ≠「空気温度」(室温)
なのです。
夏や冬に室内がひどく暑い時や寒い時、壁や天井・窓などが持つ「表面温度」のことを考えなければ根本的な解決になりません。
G3レベルの断熱性能にすると、冬であれば外壁面の「表面温度」がかなり上がってきます。
そのため、次回ご説明させていただくMRT(平均放射温度)が高くなり、エアコンなどで空気温度を上げる必要性がなくなってきます。
これがG3レベルに断熱性能を上げる意味です。
次回改めて詳しくご説明します。
私たち家づくりのプロは
これを理解して、断熱・気密をはじめ、壁などの「表面温度」が一年を通じて最も良い状態・温度に保つことのできる設計・施工をしていきます。
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