せっかくマイホームを建てるのであれば、家族が健康に過ごせる住宅にしたい。
そのように考えている方は、たくさんいらっしゃるでしょう。
言葉にすると簡単なフレーズですが、家づくりでそれを実践する場合結構難しい部分があるのは否めません。
こっちを選択したらあっちの部分が・・・。など悩み、検討し、決断する。そんな場面は多くあります。
しかしそのように悩めること=選択種があることなのです。
今回は健康にそして快適に過ごせる家づくりに着目し、昔から愛され使用されている木材の中でも無垢材に着目してみましょう。
木材本来の雰囲気を楽しみつつ、その持ち味を存分と活かす家づくりを行うことで、家族にも環境にも優しい家づくりをすることは可能なのです。
その中でも近年フローリングなどでも使用されることの多い「無垢材」を中心に、解説していきましょう。
無垢材とはどんな木材なの?
無垢材の解説をする前に、どうして木を使用した家づくりが長い間愛されているのか。その秘密にせまってみましょう。
もともと自然の木にはさまざまな力を持ち合わせています。
その中でも優れている機能は「調湿機能」と「香り成分」です。
いろいろな材質から作られる住宅も今は多くありますが、健康と快適の秘訣は、「木材をしっかりと活用すること」なのです。
長い間住宅も構造や建て方などさまざまな進化を続けてきました。
その中でも木材住宅が長年愛され続けていることには大きな秘訣があります。
木材の持ち合わせている優れた機能である「調湿機能」は、湿度が高い時には湿度を吸収し、乾燥時には湿度を自然に放出してくれます。
住宅の快適性・健康性を求めるにあたっては、室内の温度や湿度の数値は大きな関係性を持っています。
この機能が優れている木材は、室内の湿度を一定に保つ「湿度に応じた除湿・加湿」の働きを行っています。
またもう一つの「香りの成分」は、木から感じる自然の香りによってリラックス効果や殺菌作用などをもたらします。
無垢材と対照的なのが新建材と呼ばれる合板に木目柄のシートを張ったもので上記のような効能は無いに等しいです。
たかが家づくりではなく、素材を厳選することによりこれから過ごす空間の「快適性」「健康性」「省エネ性」などさまざまな部分に影響を表してくるのです。
その中でも木を実感できる「無垢材」
いろいろな所に自然の木材を使用して建てることも可能ですが、近年は肌触りの良さなどからフローリングなどでも多く活用されています。
以前のフローリングは集成材が多く使用されていました。
集成材とは、大きな木材から薄くした木版を切り出します。
その木版を接着剤で張り合わせ、ブロック状にした木材のことを表します。
確かに大きな分類では無垢材になりますが、人工的に作られたものになります。
実際には表面などで見えている木材と中間に挟まっている木材が同じ材木のものなのか。
接着剤にはどんなものが使用されているのかなど、不明な部分も多いのです。
一方天然の無垢材は自然の恵みを受けた丸太から切り出されています。
丸太から切り出したままの状態を板状に加工し、フローリングに使用します。
そのため同じ材木であってもひとつひとつ表情が異なります。
集成材の場合、劣化に目が行きがちになりますが、無垢材の場合は年月の経過によってまた違った味わいを見せてくれます。
これは本当の木の家だけがかもしだしてくれる魅力のなのです。
無垢材の種類と違い
一言で無垢材を表ししていますが、実はたくさんの種類があります。
素材の材質によっても、色合いや硬さ、風合いなども違ってきます。
住宅のさまざまな部分に使用される無垢材ですが、今回はフローリングで多く使われている材質の特徴をご紹介します。
パイン材
フローリングの無垢材の中でも、あまり際立った特徴が少ないのがパイン材です。
そのため素朴な風合いが合わせやすく、のどかな雰囲気の空間に仕上がります。
フローリングの床材の中でも割と人気の高いパイン材です。
最初は素朴な味わいのパイン材ですが、長年使いこんでいく内に独特の深みが出てきます。
人気も高く、フローリングとして使用される品の高いパイン材ですが、他の材質と比べると価格は割安です。
柔らかな素材の木材のため、小さなお子さまや年配の方にも優しく、年を追うごとに感じられるヴィンテージ感など、さまざまな楽しみ方のできる素材になっています。
スギ材
日本の昔からなじみの深いスギの無垢材も、フローリングの素材として多く使用されています。
特に木目の特徴から以前は和風的な住宅に多く利用されていましたが、近年ではスギの柔らかい素材感を活かして洋室にも多く活用されています。
素肌で居ても気持ちが良い、赤ちゃんがハイハイしても安心など、見た目の美しさとなめらかな肌触りが人気を集めています。
柔らかい肌触りが特徴のスギ材ですが、香りの効果の高い木材でもあります。
その香りの効果としては、心への効能と体への効能に優れていると言われています。
心への効能では、スギの高い森林浴効果から心にバランスと静けさを与えてくれます。
また体への効能としては身体をリラックスさせ、鎮静させる作用に優れています。
安眠効果や抗菌や防虫作用にも優れています。
ヒノキ材
高級温泉旅館などでヒノキのお風呂など、実際に体感したことのある方も多いのではないでしょうか。
「スギは目を楽しませる。ヒノキは香りを楽しませる。」とも言われているように、スギよりも香りの効果の高い材木のひとつとしても人気です。
そのためフローリングなどに使用することで、部屋全体に香りの効果が広がります。ヒノキは強度や耐久性の面で優れている特徴を持っています。
日常家族が歩くフローリングではスギ同様表面は柔らかいので傷は付きやすい素材です。
また湿気に強く、シロアリにも強いという特徴を活かして、家の土台に使用されるケースもあります。
ただし価格の面では他の無垢材に比べ価格が安定していないという欠点もあります。
そして比較的価格も高めな素材です。
ウォールナット材
ウォールナットとはクルミ科の広葉樹から作られています。
最大の魅力は何と言っても「落ち着いた深みのある色味」です。
フローリングだけでなく家具や内装材としても長く人気高い素材です。
世界三大銘木として名高い「マホガニー」「チーク」に並ぶ人気の木材なのです。
ブラックチェリー材
きめが細かく、なめらかな手触りが特徴のブラックチェリーです。
最初は明るい琥珀色なのですが、年を追うごとに色に深みが出て味わいをかもし出してくれます。
チェスナット(クリ)材
栗の木からできているチェストナットは、はっきりとした木目が印象的な素材です。
力強そうなイメージと同調するように、素材自体の強度も強くフローリングに適した木材です。
耐湿性にも優れているので、水回りのフローリングなど無垢材が向かなそうな空間にも使用できます。
チーク材
東南アジアが原産のチーク材の特徴は、重厚感のある色合いが目を引きます。
古くから悪条件とされる船の甲板にも使用されている実績から、木材自体も硬く、耐久性や耐水性に優れている木材です。
オーク材
オーク材も高い耐久性と耐水性に優れた材木です。
その両面の性能が優れているので、フローリング材としても人気の高い素材です。
はっきりとした木目と落ち着きのある重厚感など、落ち着いたリビングを目指している方にはおすすめの素材です。
カバ桜(バーチ)材
カバ桜と言う名前ですが、桜の木ではなく分類では「樺」に当たります。
仕上がりが桜の材木に似ていることから代用品として使用されていました。
現在は桜よりも扱いやすく人気の高い素材のひとつです。
特徴としては、淡いピンク色と白を基調とした色彩の木目が鮮やかですっきりとした印象です。
硬くて、衝撃にも強い部分もありフローリング材としては扱いやすい素材です。
メープル材
メープルを訳すと「楓」。
その名の通り楓の木からできている材木です。
シンプルな木目と鮮やかな色合いがどんな部屋にもマッチしやすい特徴を持っています。
その中でもシンプルナチュラルな空間ではより良さを引き出してくれます。
材質自体は非常に硬く、重厚で摩耗性が強いことが上げられます。
このように同じように見える無垢材でも、色味や鮮やかさ、香りや木目など、特徴も大きく変化します。
自分たちのライフスタイルに合う無垢材を見つけてみませんか。
弊社では無垢材の床材を数十種類の材質、数種類のグレード、数種類の塗装仕上げパターン、貴方だけの一枚を厳選します。床材は部屋の雰囲気を決定するだけでなく、体に最も触れる材料なので触り心地、質感が印象も違ってきます。
家族のために活かす家にするためには
無垢材などの自然素材を多く使用することで、家族が集う空間である家も大きく変化してきます。
木の成分が与えてくれるリラックス効果によって、心身をリラックスさせ、日常生活で感じている不安や緊張、イライラなどの不快な気持ちを和らげてくれます。
また木の成分のであるセスキテルペン類は、ある種の植物性アロマオイルにも多く含まれています。
呼吸数の減少や血圧・脈拍の低下、脳内のα波の増加など、目に見えない部分でも効果を発揮します。
自律神経にも作用することで自然な眠りを誘い、家族が過ごす空間を保つために役立ってくれます。
風邪を引きづらい、大きな病気をしない。
そういうことも大切ではありますが、日常生活を気持ち穏やかに過ごせることこそ、さまざまな病気を防止する「第一歩」だと思います。
お父さんが元気に会社に行くこと。
子どもたちが笑顔で過ごすこと。
お母さんが笑っていてくれること。
こんな些細かもしれないけれど何気ない日常から、家族の健康は育まれています。
そんな空間を守りたい、提供したい。この想いが私たちの家づくりの姿勢のひとつなのです。