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2022.09.01

木造でも構造計算は必要か!?

耐震等級3 住まいに必須の要件10
この前の熊本地震では、現地を視察された建築構造専門の先生によると、この先生には弊社の建物全般構造計算をお願いしているのですが、
熊本の益城町をグーグルマップで見てみても本当に驚きなのですが、、、
当たり前ですが、屋根が重く、窓ばかりで耐えうる壁が少ない家がまず倒れていて、新しい家でも倒れている家は耐力壁がバランス良く配置されていない。

家でこうした家は大きな揺れが何回も起きることで崩れてしまっているということでした。
構造の権威であるその先生は瓦だからって崩れることはない。
瓦だから駄目だと間違った情報がネット上に出ているから気を付けてくださいね〜と仕切りに仰っていましたので誤解がないように敢えて申し上げておきます。

最近の瓦の家は土を使わない、乾式工法です。
では何がいけないのか、
そうですね、察しの良い方ならわかるはず、一言で言うと「ぐあんぐあんと揺らさない」です。

地震が来たら揺れることは揺れます。揺れの具合なんです。

どういうことかというと、振幅の大きい揺れを起こさない。
つまり、揺れ幅の大きい揺れを起こさないということです。
これはどんな構造の建物も同じです。
鉄骨でもRCでも、木造でもです。

熊本地震では震度7級の地震が立て続けに2回来ました。これは現行の建築基準法では想定していなかったのですが、揺れ幅が大きい揺れに1回は耐えることができた家は割と多かったのですが、2回目を想定していなかった為に、2回目の大きな揺れで柱と梁の仕口部分や筋交い金物部分が破断してしまった為に倒壊しているということです。

ではどうしたら震度7級の地震に何回も耐えうる建物を作ることが出来るかそれは…
揺れ幅を少なくしてとにかく揺らさないことです。
この揺らさないとはガチガチに堅くすること、筋交いをバランスよく適切な方向に入れたり、外壁面に構造用の板を張ることです。

もっと言うとイメージでは1階、2階部分が一体的にビンビン揺れるというか振れるイメージです。
1階と2階部分が、違う揺れ方をしてしまうと壊れやすくなります。

例えばこんなケース…

1階部分は大きなLDKで特に南面が大開口の窓ばかりでホントに壁がない間取りで
この場合、2階は個室で仕切られているケースが多いのでバランスが悪くなります。

つまり1階がふにゃふにゃ2階がガチガチの場合です。
こういう建物は1階と2階の揺れ幅が違うので1階と2階の継手部分で崩れ易くなります。
よく見る1階が崩れて2階は崩れていない建物がそれに当たります。

そういう意味でもバランスよく耐力壁を配置することはとても重要なのです。
あり得ないことですが、現地調査でも筋交いが同じ方向に入っていたり、金物が適切な位置に配置されていなかったりはあったようです。
長くなりましたが、結論木造住宅でも構造計算はしておいた方がいいと思います。
住宅をリフォームするときどうしても耐震性は優先順位が低くなりがちですが、優先順位を上げることも考慮してリフォームすることをお勧めします。

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