身体が感じる温度 ≠ 室温
私たちは通常、温度計で室温を確認しています。
これは、空気温度を測る方法です。
そして、暑い・寒いを感じたら、エアコンで空気温度を変えていますが、前回の連載でお伝えした通り、熱の伝わり方には3通りあり、空気はその1つに過ぎません。(空気の熱は「対流」)
身体が熱を感じやすいのは、「放射」「伝導」。
そして、その物体が放つ熱の温度は、「表面温度」と言います。
つまり、私たちの身体は「空気温度」と「表面温度」の2つの影響を受けているのです。
赤外線放射温度計。物体が放つ温度「表面温度」を測ります。
圧倒的な良い家にするには「表面温度」に注目!
私たちの家づくりでは、「空気温度」だけでなく、壁や床などの「表面温度」に注目します。
冬は、まず、窓から日射を取り込みます。
そして熱を壁・床などに太陽の熱を蓄熱し、「表面温度」をあげていきます。
夏は、軒や植栽などで窓から入る日射を遮ります。
そして壁や床の涼しさを保ったり、庭の涼気を取り込んで蓄冷することで、「表面温度」を下げます。
壁や床の「表面温度」は、「放射」「伝導」といった熱の伝わり方で、私たちの身体にゆっくりと伝わります。
その効果を長く保つためには、保温・保冷効果の高い断熱材を使って、断熱性能を上げていきます。
これが、私たちが最高レベルの断熱性能(G3)を標準とする理由なのです。
次回の連載では、家の中でどのくらい割合で「表面温度」に影響を受けているのか?
それがわかる計算方法があるので、お伝えしたいと思います。
>>エアコンが無くても「暖かい・涼しい家」ができる?!(3)
保温・保冷効果の高い断熱材を貼った壁
冬は太陽の熱を取り入れ、さらに室内に蓄熱する素材を使う
関連記事