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2023.12.01

熱気を逃し、冷気を取り込む -夏の工夫-

素材 夏の対策 断熱・気密(性能) 光熱費
昨今、夏の暑さ対策は大きな課題です。

 

夏を快適に過ごすための家づくりの工夫は数多くありますが、その中でも「基本のキ」と言える2例をご紹介します。

 

敷地を読み取る


 

私たちは家づくりにあたり、まずは敷地が持つポテンシャルを把握する調査をします。

 

例えば、隣家の状態・水路・道路といった周辺環境、卓越風(その地で最もよく吹いている風)など外環境を見極めて、建物・庭をどういった配置で建てると最も良い状態になるのかを確認するのです。

 

この調査をもとに外環境を上手に使えば、夏の暑さ対策に大きく貢献してくれます。

 

例えば、建物や樹木は、その影で地面の表面温度を大きく下げてくれます。

樹木は根から吸い上げた水を葉から蒸散させて、木陰に周囲より少し涼しい環境をつくります。

卓越風・水路から生まれる風は、こういった少し涼しい冷気を室内に運んでくれます。

 



敷地は一軒、一軒全て違います。たとえ隣同士でも、隣家や道路の状況で条件は異なってきます。

その敷地ならではの特長を引き出す計画がとても大切なのです。

 

 

熱を逃がし、冷気を取り込む


 

空気は暖まると上に昇っていきます。

 

夏に二階や屋根裏が暑苦しいのは、日中の熱が天井付近に溜まってしまうから。

高断熱・高気密の住宅では、熱が室内に留まり続けるので適切な工夫が必要です。

 

そこで大切になるのは、換気(排熱)の計画。

熱がたまりやすい高い場所に、高窓や排熱窓を取り付けます。

 

夏の夕方、この窓を開けると天井付近に溜まった熱は自然の力で外へ排出されていきます。

庭側の窓も開けておくと、同時に樹木下で生まれた冷気だまりが引っ張られて、室内に引き込むことができるので、室内の温度を下げたり、涼しさを感じることもできます。



排熱(換気)は、建物に「隙間」が多くあると、あちこちから熱が出入りするので計画通りに働いてくれません。

そのため、建物自体が高断熱・高気密であることが大前提。

 

断熱・気密の性能は、さまざまな計画の土台となっているのです。

 

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