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2022.10.19

G3+蓄熱プロジェクト始動しました!

冬の対策 夏の対策 乾燥対策 断熱・気密(性能) エアコンのない家
いよいよG3と蓄熱を組み合わせた
プロジェクトを始動しました。

G3にする意味は以前のブログで
申し上げつつありますが、
室内の外壁面の表面温度を上げることにあります。

G3にすると冬場表面温度が
20℃付近に上がってきますが、
G3にしただけだとどうしても
冬場夜から朝に向けては体感温度が15℃~16℃に
下がってしまうのがネックではありました。
(エアコンを使用しているときは別です。
あくまでもエアコンを使用していないときのことです)
パッシブハウスと言われる住宅がこれに当たります。
一般的なパッシブハウスは冬場日射を
極力室内に取り込むため、真冬でも昼間は
半袖短パンで過ごせる利点はありますが、
日が沈んだ夜中にかけては
急激に温度が下がり始めるため、
パッシブハウスであってもどうしてもエ
アコンなどの機械に頼る現状があります。

それを補完するのが、蓄熱という技術です。
日中日射をできるだけ室内に取り込み、
蓄熱壁などに熱を蓄えます。

その蓄えた熱が夜中室温が下がってくるときに
じわじわと熱を室内に放出しだすため、
体感温度が15℃~16℃に下がりきらない。
(20℃付近を保つことができるというものです)

弊社も今の今までエアコンを常時使用して、
室温を20℃に保つことをしてきました。
それでお客様にも一定の評価をいただいてきました。

しかし、どうしてもエアコンを使用する限りは、
空気温度を上げてしまうため、
相対湿度は下がってしまうという
ジレンマを起こしてしまいます。気流も感じます。
乾燥するため、大型の加湿器を使用していただくとか、
第1種の熱交換型の換気扇を使用するなど、
機械に頼ることが多く、
多くの場合こうしたケースになってしまいます。

そこを今回の蓄熱という技術を建築に盛り込むことで
建築で極力頑張ってエアコンや換気扇を前提とするのは
止めて自然のエネルギーを使い切ることを前提とし、
足りない部分をエアコンなどの設備で
補完するという考え方です。

本来地球上にはそうした物質やエネルギー、叡智が
あるにも関わらず、それらを十分に使い切れていない
現状がまだまだあると思っております。

それらを今回G3程度の断熱性能にして
室内の表面温度を極力上げ、
蓄熱技術を室内に盛り込むことで自然エネルギーを
溜めて足りないときに放出するという蓄熱に
注目したのです。

そうすると体感温度はエアコンを使わずとも
冬場20℃付近にもっていくことができ、
エアコンを使わないため
空気温度を上げすぎなくてもよく、
湿度も50%程度維持できるようになるわけです。
こうした状況では室内は室温だけでなく、
表面温度も高止まりしているため、第3種の換気扇で
冷気がちょっとくらい侵入しても、室温は下がりません。
またちょっとぐらい窓を開けても
体感温度は下がりません。

そのような技術を取り入れ、住宅をつくることを
意識しながら作っていく所存です。

現在建築中のモデルハウスにおいてもこうした
技術を取り入れながら、エアコンを使わずに
冬場常時20℃付近を保つまた、夏場においては
極力日射を室内に取り込まないように遮蔽をし、
それでも室内で発生した内部発熱は蓄熱壁などが
熱を吸着するため、室温を上げすぎないことも
できるようになります。
夏に洞窟などに入ると冷っとしますが、
あれは石というものすごい熱容量の大きい物質に
囲まれておりながら、窓など日射が入り込まないため
実現している夏の原理です。
その技術を住宅に応用し、熱容量の大きい素材を
室内に取り込み、熱を吸着することで夏でも
室温を上げすぎないことができるようになります。

ただ名古屋などの蒸暑地域においてはそれだけでは
暑くなる場合もあるので、その場合に限り、
エアコンを使用することも検討するという考え方です。

こうした自然のエネルギーを上手に活用できるように
周辺環境を読んだ建築を設計し、
熱を逃がす廃熱窓を計画するや、室内より少しだけ低い
冷気を取り込み(ナイトパージ)暑気を上部から抜くなど
自然と建築が本当の意味で調和することを
目指しています。

他にも建築と庭の関係性にも目を配りながら
最適な住環境を求めていきます。

そうして形作られた住環境はゆらぎという名の森の中で
過ごしているような気持ちいい住環境を作れると本気で
信じて止みません。

土を室内の内部壁に敷き詰めています。

室内の内部の壁一面に土を敷き詰めます。通常内部の壁は空洞ですが、そこに土を敷き詰めます。この土という素材は熱を吸収する速さが早く、放出する速さも早い特徴があります。言い換えると熱容量が大きい素材を取り入れた気流が生じない自然のエアコンとも言えます。

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