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2022.09.01

高断熱と気密性能はセット!?

住まいに必須の要件10
高断熱の住まいを建てると特に気密性も重要になります。

気密性能を表す指標にC値という数値があります。隙間が延べ床面積当たり何㎝2あるかという数値で小さいほどよいのですが、

2以下は最低必要で1以下が望ましいと言われています。
C値を2以下にしないと、通常第3種換気システム(自然給気、機械排気)のシステムが上手く稼働しないということも解っています。
今回雨楽な家という真壁、構造現しなので非常に気密を取りにくいという側面がありますが、
0.96という数値になりました。

隙間相当面積αA190㎝2÷
建物外皮の実質延べ床面積197.84m2=0.96=C値。

当社ではやり方によってはC値=0.3の実績値が可能です。
気密指標としてC値が1以下は、最低限確保しながら、断熱指標である外皮平均熱貫流率UA値をひとつの指標としていくことが重要です。

UA値に関してはコストと密接に関わってくるのでコストバランスが必要です。

HEAT20のG2レベルでは愛知県名古屋市周辺ではUA値0.46が必要です。
寒冷地などではUa値が0.28までいかないとG2レベルにならないので、こうした地域では外断熱を付加する必要がありますが、ここ名古屋地域ではUa値は0.46でG2レベルに
なってきます。

このG2レベルは十分内断熱方式でとれる数値なのでそれ以上の外断熱を付加するまでもないというのは設計する上での勘所になります。先にも申しました通り、コストと相談しなければいけない所であります。

HEAT20のG2~G1レベルの断熱性能を確保するとリビングでエアコン使用時に部屋の扉を開けっぱなしにした時部屋毎の温度差が1〜2℃に収まるので、家全体でエアコンが1〜2台で収まります。
HEAT20という断熱指標があります。

G2レベルを確保することが望ましいのですが、またこの中ではC値のことについても記述していますが、C値1以下であれば暖房負荷はほとんど変わらないというデータも記載されています。

G2レベル以上のものを建てても実質体感的には室内温度環境的は変わらないということも段々と分かってきました。

ただし、G2レベル以上の建物は光熱費を更に削減できるという利点はありますが、なかなかこれ以上の建物を建てるにはイニシャルコストがかかることなのでよくよく検討が必要です。

こうしたこともHEAT20の指標をなぞっていく中で分かってきた見解であります。
なので、なんでもかんでもUa値を低くして、C値も下げまくればいいという競争激化はコストの側面からみると必ずしもいいとは限らないということは周知の事実になりつつあります。
話は飛びましたが住まいの環境が良くなり、住みやすくなり風邪を引きにくくなったり、アレルギー症状つまりは、喘息やアトピー性皮膚炎を発症しにくくなったり、手足の冷えの改善、ヒートショックによるお風呂での溺死を防いだりと健康に暮らすためのひとつの建物の性能基準が地域ごとにできたHEAT20基準の登場はもの凄く意味のあるものだと思います。

暑い寒いの生理的欲求は住まいづくりにおいて重要な分野ですが、ともすると後回しになってしまう分野であります。

でもこの分野は生理的欲求に関わってくる部分なので、人間が持つ欲求の中でも高い方なんですね。

でも、デザインの方にお金をかけたり、別の分野に負けてしまいがちなんです。

家づくりは予算が無限にある訳ではないのですが、この外皮の分野には予算を少しでも回して欲しいと思います。

これだけは言いたいのですが、太陽光などの設備機器にお金をかけるよりは、まず建物の外皮つまり断熱材やサッシなどの性能にこだわるべきで、後に余裕が出来たら、太陽光を載せるくらいにすることがいいのではないかと思います。

ZEHの補助金が下りる基準も外皮の性能を極力上げて太陽光をちょびっと載せて一次エネルギーを実質ゼロにする動きになっています。

外皮の部分は後からはなかなかできませんから、、、

一般的に見ると少し過剰すぎるかもしれませんが、10年後を見据えて家を建てるならこれらのことはお客様にとっては健康を担保する意味で先行投資になると思いますし、光熱費を抑えるという意味でも費用対効果はめちゃくちゃ高いものになりますので高い光熱費で知らず知らずのうちに貧乏になるという負のスパイラルを断ち切れることにもなると思います。

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